★ 封印解除シリーズ 第9回 ★「神棚から何が消えたのか」|塩と大麻と精神性

こんばんは。そして、こんにちは。
ヒクシポワタの橋本と申します。
封印解除シリーズ、第9回です。
前回は「相続税と家督廃止」の話をしました。
家督相続の廃止と相続税が組み合わさった結果、
日本中の家業・地主・旧家が、
代を重ねるごとに縮小していく構造になった。
「三代で潰れる」のは能力の問題ではなく、
仕組みの問題だった、というお話でしたね。
制度が変わると、気づかないうちに文化が消えていく。
今日は、その最終ピースです。
消えたのは、家だけではありません。
神棚から、モノが消えたんです。
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いきなりクイズです。
伊勢神宮のお札。
日本中の神棚の中央に祀られている、あのお札。
正式名称をご存じでしょうか?
「神宮大麻(じんぐうたいま)」*といいます。
「え、大麻!?」
と思われた方。
その「え!?」こそが、今日のテーマです。
私たちは「大麻」という言葉を聞くと、
反射的に「危険な薬物」を思い浮かべます。
でも、ほんの80年前まで、
大麻(おおあさ)は日本人の生活の中心にあった植物でした。
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神社を思い出してください。
しめ縄。
鈴を鳴らすあの縄(鈴緒)。
神主さんが振る、白い紙のついた祓串(はらえぐし)。
横綱が土俵入りで締める綱。
全部、麻です。
麻には「穢れを祓う」力があるとされ、
神事に欠かせない植物でした。
祓串の正式名称も「大麻(おおぬさ)」。
つまり日本において麻とは、
「清める」ための植物だったんです。
戦前、麻農家は全国に数万軒ありました。
麻は着物になり、縄になり、
赤ちゃんの産着の柄(麻の葉模様)にもなった。
「麻のようにまっすぐ育ちますように」
そんな願いを込めて。
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昭和23年(1948年)。
占領下の日本で「大麻取締法」が施行されます。
栽培は免許制になりました。
ここで大事なのは、
「誰かの意図」を詮索することではありません。
結果として何が起きたかです。
数万軒あった麻農家は、
現在、全国で数十軒。
神社のしめ縄の多くは、
ビニール製や輸入品に置き換わりました。
そして「大麻」という言葉は、
「祓い清める植物」から
「近づいてはいけない危険物」へ。
言葉のイメージが、まるごと裏返ったんです。
※念のため。神事に使われてきた日本の在来種の麻は、
薬物成分がほとんど含まれない繊維用の品種です。
「危ない話」ではなく「文化の話」として読んでください。
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もうひとつ、神棚から姿を変えたものがあります。
塩です。
神棚には、米・塩・水を供えますよね。
お葬式の後の清めの塩。
土俵に撒く塩。
盛り塩。
塩もまた「祓い」の道具でした。
日本の塩は、海水から作る自然塩。
ミネラルをたっぷり含んだ、海そのものの結晶です。
ところが。
明治38年、塩は専売制になります。
そして昭和46年(1971年)、
「塩業近代化臨時措置法」によって
全国の塩田が廃止されました。
代わりに登場したのが、
イオン交換膜法で作る精製塩。
塩化ナトリウム99%以上。
ミネラルはほぼ残りません。
「清めの塩」だったものが、
「ただの調味料NaCl」になった瞬間です。
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話しは少しそれますが、
うちは自然派ショップなので、
塩の話になると止まらなくなります(笑)
昔ながらの製法の塩と精製塩、
舐め比べると全然違うんですよ。
精製塩はただ「しょっぱい」。
自然塩は、しょっぱさの奥に甘みと旨みがある。
体は正直で、
自然塩だと「もういい」というサインが来る。
精製塩だと、それが来にくい。
塩ひとつで、こんなに違う。
ご先祖さまが「塩で清める」と言ったとき、
その塩は間違いなく前者、海そのものの塩でした。
\(^O^)/
戻ります。。。
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麻が消え、塩が変わった。
でも本当に消えたのは、
モノそのものではないと思うんです。
消えたのは、
「祓う」という感覚です。
日本人は昔から、
罪や穢れは「溜まるもの」で、
定期的に「祓う」ものだと知っていました。
大祓(おおはらえ)は年に2回。
玄関の盛り塩は毎日。
しめ縄は年に一度、新しく。
心と場を、リセットする習慣。
麻と塩は、そのための道具でした。
道具が日常から消えると、
「祓う」という発想そのものが消えていく。
モヤモヤを溜め込んだまま、
リセットの方法を知らない。
もしかすると現代人の生きづらさの一部は、
ここにつながっているのかもしれません。
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ここまで読んで、
暗い気持ちになった方もいるかもしれません。
でも、思い出してください。
お相撲さんは今も塩を撒いています。
神社のしめ縄は今も張られています。
お葬式の後、私たちは今も塩を振ります。
意味を忘れても、形は残った。
これ、すごいことだと思いませんか?
80年間、意味を教わらなくても、
体が覚えていて、手放さなかった。
第6回でお話しした「地下水脈」です。
形が残っているなら、
意味を取り戻すのは、いつでもできる。
今日、神棚の塩を新しくするとき、
「これは祓いの塩なんだ」と
一瞬思い出すだけでいい。
それだけで、封印はひとつ解けます。
そして。
國史、日本史、家督、相続税、麻、塩。
これだけ「消える仕組み」が重なってなお、
消えなかったものがあるとしたら。
それは、どこに残っているんでしょうか。
次回、いよいよ最終回です。
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